『奇跡の夢ノート』 石黒由美子・著 | 瀕死の重傷を克服、シンクロ五輪代表へ

北京オリンピック・シンクロナイズドスイミング
日本代表、石黒由美子さんの自伝。

タイトルを見て、てっきり自己啓発系の
本かと思ったら全然違っていました。

たしかに「夢ノートのおかげで
オリンピック出場を果たした」
という内容に間違いはありません。

しかし、著者の石黒由美子さんの
半生が凄まじすぎて、もう…。

もしこの本がドラマになって、
実話と知らずに観たとしたら
「いくらフィクションとは言え、やりすぎ。
リアリティのかけらもない」
と思ってしまっていたことでしょう。

小学2年生の時に交通事故で顔面だけで
540針、口の中を260針縫うという
瀕死の重傷を負います。(ケタを間違えて
いるわけではありません。念のため)

一命だけは取りとめたものの、
それまでの記憶を一切なくしてしまいます。

縫合のあとも生々しく、
ついたあだ名が「フランケン」。

顔の筋肉が思うように動かず、
口は開きっぱなしでヨダレがたれてきます。

三半規管は損なわれてまっすぐ立てません。

右目は24時間見開いたままで瞬きもできず。
ゴーグルをつけるとはいえ、そんな状態で
塩素が溶けたプールに浸かるのです。

入院中、由美子さんが
「夢はシンクロの選手になってオリンピック出場」
と打ち明けたとき、お医者さんが
「パラリンピックを目指すんだね。がんばれ」と
返したのも無理はないほどの状態でした。

そこから石黒由美子さんとお母さんの
血を吐くような毎日が始まります…。

これは「感動」の、というよりも
「驚愕」の一冊でした。

人間はこんなにもがんばれるものなのか。
母親の愛とはこれほどまでに偉大なのか。

「奇跡」という言葉さえ色あせて見える
この物語に出会えたことに心から感謝します。

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