泥の中に咲く蓮。「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」‘死体がない!’ 加藤元浩・著

イラストは月刊少年マガジン2019年8月号に収録されている加登元浩・著「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」Op.141 ‘死体がない! There Are No Corpse!’からのカットで、森羅博物館に集っている鯨崎猛警部、七瀬立樹、榊森羅、コーヒーを運んでいるヒヒ丸です。
Hihimaru, Tatsuki NANASE, Shinra SAKAKI and Takeshi KUZIRAZAKI police inspector in C.M.B. created by Motohiro KATÔ (Monthly Shonen Magazine 2019.08)

月刊少年マガジン2019年8月号に掲載された
加藤元浩先生の最新作
「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」
‘Op.141 死体がない! There Are No Corpse!’
をできるだけネタバレなしでレビューさせていただきます。

都内の高級住宅街。
外国人青年が、血まみれの姿で
大きな屋敷から出てきました。

片手には包丁を持っています。

屋敷の主は梅中大蔵(うめなか たいぞう)。
経済学者であり、
人材派遣会社の会長も務めている人物です。

この男、あまり評判が良くありません。

日本の技術を学びにきた留学生たちを
支援するのではなく、安い賃金で働かせて、
ひどいピンハネをしているようです。

(包丁青年も研修生として日本にやってきたことがのちに分かります)

梅中のやり口は、パスポートを奪い取り
隠しておくというのですから悪質です。

そんな男ですから、
捜査に非協力的なのも当然と言えましょう。

事件を担当したのは鯨崎警部。

主人公である天才少年、榊森羅(さかき しんら)くんには
これまで何度も助けてもらっています。

屋敷内を家宅捜索すると、
大量の血だまりが見つかりました。

梅中は
「邸内には自分しかいない」
と証言しています。

彼はピンピンしているわけですから、
血だまりはほかの人間のもの
ということになります。

ですが防犯カメラをチェックしてみると、
屋敷内を出入りしたのは包丁青年だけでした。

警察は地下室のワインセラーまで
くまなく捜索しますが、何も見つかりません。

ここでひとつおかしなことがありました。
地下室の照明スイッチの場所がドア付近ではなく、
階段の途中に設置されているのです。

(結局、このナゾが事件を解く決め手となりました)

捜査は暗礁に乗り上げました。

そのときまで黙秘を貫いていた
包丁青年の口からなんと森羅くんの名前が発せられます。

シンラ・サカキを呼んでくれ

ここで真打ち登場!

青年と森羅くんとのつながりは?
血だまりは誰のもの?
青年は邸内で何をしたのか?

数々のナゾを今回も鮮やかに
解いてみせる森羅くんなのでした。

以上です。

泥中に深くもぐり込み、
悪事を働くものもいれば、
その泥を養分にして
美しく咲き誇るものもいるのですね。

現実に、外国人研修生から
搾取をしている日本人がいることに胸を痛めます。

日本を訪れる外国人の方々には
よい思い出を一つでも多く
持ち帰っていただきたいと心より願います。

ところで、漫画雑誌ならではの特典、
コミックスではカットされてしまうのが
表紙と最終ページの「あおり」。

担当編集者のかたがお考えになっているのでしょうか。
今月のあおりも素晴らしかったので、
誠に勝手ながら以下に引用させていただきました。

(表紙のあおり)

汚れなき蓮には“真実を見通す孔”がある”

(最終ページのあおり)

一つの純粋な想いは汚れも弾く。
愛する人とは何があろうと一蓮托生で──

そして「蓮」つながりということで、
きれいな睡蓮(だと思います。植物に疎くてすみません)
が美しく花開くシーンが見られる
YouTube動画を貼らせていただきました。

「C.M.B.」第20巻に収められている
「木片」というエピソードの紹介動画で
加藤元浩先生ご本人が作成されたもののようです。

動画を一見すればお分かりのように、
原作マンガも絶品であることは言うまでもありません。

機会がありましたらぜひご一読を!