おすすめマンガ「ブラック・ジャック」「チェイサー」「ガラスの仮面」ほか

イラストは手塚治虫・著「ブラック・ジャック」より、ブラック・ジャックの横顔が、黒地に白抜きのシルエットになっているカットです。
Black Jack created by TEZUKA Osamu

おすすめマンガ5選「ほか

「ブラック・ジャック」手塚治虫・著

毎回、20ページにも満たない
読み切りだったというのが
信じられません。

全22巻のうち、3巻当たりまでは
神がかり的な名作が目白押しです。

「二度死んだ少年」
「アリの足」
「目撃者」
「ダーティー・ジャック」
「ある教師と生徒」

などのエピソードは、
何度読んでも泣かされてしまいます。

「ブラック・ジャック創作秘話」
(宮崎克・原作、吉本浩二・漫画)
によると

当時、手塚(敬称略)は、
毎週4つのアイデアを
担当編集者に提示して、
その中からいちばんよいものを
えらんで描いていたのだとか。

あの手塚先生がそこまでされるのだから
面白くないはずがありません。

一見クールなようでいて、
つぎはぎだらけの皮膚の内側に
熱い血潮をたぎらせているジャック。

無免許医師であることは
彼の誇りでもあり、
ときには劣等感をさいなむものでもあります。

この男はけっして自己肯定感の
かたまりなどではないんですね。

つねに揺れ動く心情が、
作品の魅力をいっそう高めています。

ドクターキリコや琵琶丸など
個性豊かな準レギュラーたちが、
じつはそれほど登場回数が
多くなかったというのも
アッチョンブリケでした。


 

「アポロの歌」手塚治虫・著

生まれつき残忍な心をもった青年が、
罰として、何度も転生させられ、
愛の苦しみを味わわされるというお話。

名前は失念してしまいましたが、
どなたかがこれを推薦していたので
読んでみました。

それにしても手塚作品は
動物愛護の精神に充ち満ちていながら
こと魚に関しては、いくら取って
食べてもよいというふうに描かれています。

そのあたり、読むたびに
不思議な思いにとらわれてしまいます。


 

「ばるぼら」手塚治虫・著

ある中堅小説家が、
浮浪者のような少女と出会います。

奔放な彼女に振り回されるのですが、
それもまた快楽だったり。

じつは彼女の正体は、
創作の女神“ミューズ”でした。

ならばいっそう自分のところに
居ついてほしいと願うのですが……。

手塚本人はよく「女性が描けない」と
自分を卑下していたようですが、
なんの、実にセクシャルで魅力的です。

大人に向けて描かれた作品は
タッチまで変えています。

マンガの世界において、
手塚治虫に不可能はない
といったところでしょうか。


 

「チェイサー」コージィ城倉・著

その“神さま”手塚を、一方的に
ライバル視しているマンガ家のお話。

手塚が現役のころの出版界の、
ひいては日本の空気感が
ありありと伝わってきます。

ファンでありながらも、
いや、あるからこその
辛口批評が、ある意味痛快です。

またそれがなまじの分析本より
的を射ているように感じられました。

主人公は、月に4本以上の
連載をかかえる人気マンガ家。

今の時代のマンガ家さんと
くらべると超人的な仕事量です。

ところが手塚は輪をかけてすごい。

当時、手塚は月に10本の連載を抱えながら
医師の博士号を取ったりしています。

また、アニメ『鉄腕アトム』が
始まると、マンガと並行して
原画も描き始めます。

それがいかに「あり得ない」ことか、
同時代を生きた同業者の口から語られて
はじめて実感できました。

手塚作品の最高傑作に
「0マン」を推す人が多いというのは
このマンガからの収穫です。

なんとしても読まねば……。

ところで
コージィ城倉」先生 = 「森高夕次」先生
なんですか?

ビックリ!!!


 

「ガラスの仮面」美内すずえ・著

舞台の上で、あるいはオーディション会場で
絶体絶命のピンチに陥る北島マヤ。
「来月どうなっちゃうの!?」
とハラハラさせられどおしでした。

多くの連載マンガは、ヒキだけ立派で
オチは肩すかし、というものが少なくありません。

そして徐々に人気がなくなって
打ちきりとなってしまうわけですが、
「ガラスの仮面」はただの一度も
読者を裏切ることなく、
それどころか想像のはるか上を行く
展開を見せつづけてくれました。

言うなれば
アスリートが何十年にもわたって
記録を更新し続けているようなものです。

それが一生続くわけがないことは
言うまでもありません。

今現在も「ガラスの仮面」は
連載中とのことのようですが、
私の中ではすでに完結した
作品として位置づけられています。

力のつづく限り、
つねに誰よりも高く飛び、
美しくあり続けなければならないのが
連載マンガの宿命とするならば、
「ガラスの仮面」はみごとに
その使命をまっとうしました。

安易にハードルを下げて
おざなりの大団円で
終わらなかったところに
美内すずえ先生の矜持を感じます。

一枚の舞台のチケットのために
大晦日の横浜の海に
一瞬の迷いもなく
飛び込んでいった北島マヤ。

あのときの彼女の
ひたむきさに満ちた瞳の輝きは
永遠に色あせることはありません。

これから新たな次代を担ってゆく
少年少女たちにも「ガラスの仮面」は
読みつがれていくことでしょう。


 
〈おすすめマンガ一覧〉

手をセクシーに描くマンガ家ベスト5
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おすすめマンガ「ブラック・ジャック」「チェイサー」「ガラスの仮面」ほか
「アポロの歌」手塚治虫 「ばるぼら」手塚治虫

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