山本嘉次郎

監督-や行

『雷撃隊出動』(1944・日本) | それでも往かねばならなかった男達。

もう飛行機が欠乏していて、敵さんにやられっぱなし、という戦争末期のお話。 じっと防空壕の中で耐える…という、戦意高揚映画とは思えない内容だ。 よくまあ軍が公開を許したなあと思うほど。 雷撃隊というのは、いうまでもなく戦艦に魚雷をぶ...
邦画-あ行

映画『馬』(1941・日本) | 高峰秀子、子役から女優へ。

『馬』(1941・日本) 9月21日は山本嘉次郎監督の命日。 1974年に72才で惜しくも亡くなられて、今年でを数える。 今回取り上げた、氏の代表作『馬』は、現在のところ残念ながら視聴が困難なようだ。 戦時中に、国威を発揚す...
邦画-か行

『加藤隼戦闘隊』(1944) 軍が全面協力した国策映画。

明日は山本嘉次郎監督の命日(1902-1974)。 亡くなられてから今年でになる。 というわけで『加藤隼戦闘隊』を観てみた。 何も命日にわざわざ戦意高揚映画を選ばずともいいだろうに、この物好きが!と天国の山本監督に怒られそうだが、...
本・タイトル別-あ行

いとしさと切なさと山本嘉次郎・著「馬」と

オークションなどで高値で取引されているこの作品。 私はテキストさえ読めればそれで良いクチなので、図書館のお世話になった。 山本嘉次郎は言うまでもなく日本を代表する映画監督の一人。 この本が出版されたのが1940年12月20日。...
邦画-あ行

『エノケンの孫悟空 前篇・后篇』(1940・日本) 中村メイコ、才気煥発。

ときにはディズニー風、ときにはSF風、大人から子どもまで楽しめる造りになっている。 が、いかんせん歌と踊りが凡庸。 本作の前年に創られたシネ・オペレッタ『鴛鴦(おしどり)歌合戦』(監督=マキノ正博)の完成度には遠く及ばない。 歌も...
邦画-あ行

『良人の貞操』(1937・日本) | カメラに背を向ける食卓シーン。

妻の親友と良人(おっと)が不倫…というのは実際よくありそう。 このいかにも危うい二人を、高峰秀子と清川虹子が「猫にカツオ節」に例えている。 うーん、うまいこと言う。 せっかくの肉親からのご忠告を、正妻(…考えてみたらすごい言葉だ)...
本・作家別-さ行

斎藤明美・著「高峰秀子 解体新書」『男はね、仕事場で見るに限りますよ。』

女優であるなしにかかわらず、"人間"高峰秀子に打ちのめされ続けている。 ・ キッチンは使っていないのでは? と思うほど、いつもピカピカに磨き上がられていた。 ・ 台所で水仕事をしていて、一滴の水しぶきも服に飛ばしたことがない。 というにわかには信じがたい"伝説"も、 この人なら本当にそうだったかもと、思わせられる凄味がある。 そして今回またひとつ衝撃の事実を知った。 それは、編集者に渡す原稿は、初稿をそのまま渡すのではなく、いちど大学ノートに下書きをして、その後あらためて清書をしてから渡していた、というのである。 原稿の写真も載っている。 じつに綺麗な字だ。 このページは後で切り抜いて壁に貼っておこう。 これを読んだ時、むかしテレビで観た某人気作家の原稿を思い出した。 それはミミズがのたくった…どころか悶絶死したような、ほとんど判別不能な原稿だった。 がしかし、当時の私はそれを汚いとは思わなかった。 それどころか、こんなものを高い金で出版社に買わせる力量に、かっこいいと感動さえしたのだから、我ながら情けない。
邦画-か行

『銀座カンカン娘』(1949) 古今亭志ん生の貴重映像。

高峰秀子と古今亭志ん生が茶の間に並んで座っている。 これ、奇跡じゃないのね。 五代目古今亭志ん生の映像はわずかしか残っていない。 たまにテレビで見ることができるのは「風呂敷」を演じている映像だ。 私は寡聞にしてそれより知らなかっ...
監督-か行

愛する人に贈りたい『二十四の瞳』(1954・日本)

あまりヘタなことを口走って、この映画を汚したくない。 ひたすら美しい小豆島。 子どもたちのキラキラした瞳。 高峰秀子の、お母さんのような優しい笑顔。 小石先生がケガしたと言っては泣き、 お腹が空いたと言っては泣き、 小石...
本・作家別-さ行

斎藤明美・著「高峰秀子の言葉」 一流の人間の凄み。

常にそばに置いておきたい一冊。 だらけた自分に活を入れてくれる本だ。 この本を読むと、掃除がしたくなる。 読書がしたくなる。 もっとがんばって生きたくなる。 高峰秀子本人が書いた本ももちろん良いが、さすがにご自身のことを書...
本・作家別-た行

高峰秀子「わたしの渡世日記(下)」追記 : 映画『二十四の瞳』のこと。巨匠たちから愛された女優。

なぜ高峰秀子は多くの人たちから愛されたのだろう。 綺麗な女優さんだったから、というだけでは説明がつかない。 容姿や演技力において、高峰秀子に匹敵する女優は他にもいた。 彼女がことさら監督たちに目をかけられたのは、人間的な魅力に...
本・作家別-た行

高峰秀子「わたしの渡世日記 (下)」| 波瀾万丈にもほどがある。

小津安二郎、成瀬巳喜男、木下惠介ら大監督の人となりを、これほど的確に言い表わせる人も少ないのではないか。 他にも太宰治、谷崎潤一郎、有吉佐和子、川口松太郎、梅原龍三郎ら各界の一流人の素顔や仕事ぶりが、独特の感性でもって語られている。 ...
本・作家別-た行

高峰秀子「わたしの渡世日記(上)」追記。山本嘉次郎のこと。特攻隊のこと。

読むたびに泣けてしまう。 高峰秀子がいかに国民から愛されていたか、映画を数本見たことがあるだけの私には分からなかった。 またそれをすべて理解できるデコちゃんだったからこそ、いっそう応援するかいもあったのだろう。 私も応援してい...
本・作家別-た行

高峰秀子「わたしの渡世日記(上)」『私にはこの道しか歩いてゆく道はない』

1941年の日本映画『馬』に関するエピソードか何か載っていないかと手に取ったのが、本書を読もうと思ったきっかけだった。 主演はもちろん高峰秀子。監督は山本嘉次郎。 ところが読み始めてみたら、本そのものがめっぽう面白い。 さらに読み...