「もう あともどりはできない」山本鈴美香・著「エースをねらえ!」13巻

山本鈴美香・著「エースをねらえ!」第13巻カバーの一部です。
Sumika YAMAMOTO Aim For The Ace! vol. 13

vol. 13 「日本縦断!トーナメントの巻」

日本庭球協会が大きく動き出しました。

岡ひろみら主力選手が
寸暇を惜しんでの全国行脚。

テニス界の未来をしょって立つ
若い人達への啓蒙活動はもちろん、
指導するコーチの育成まで。

その土台となるテニスコートの
メンテナンス、果ては今ある
コートの数を数十倍にする計画など
とてもスケールの大きなものです。

日本の数十歩先を行くオーストラリアから
世界を駆け巡るプロ・テニス選手
ジャッキー・ビントが日本にやってきました。

「バン!」と、オープンカーのドアを閉める
ジャッキーがめちゃめちゃかっこいいです。

現在乗りに乗ってるプロのオーラを
あたりにまき散らします。

彼女はひろみをダブルスパートナーに
選んだこともあり、一日も早い
ひろみの復調を願っているのです。

わざわざそのために
日本を訪れてくれたのでした。

ここで西高の予餞会のもようが
差し挟まれます。

ひろみ、牧もすっかり大人びた顔つき。
とうとう卒業とは感慨深いものがあります。

ステージの上で、男子テニス部キャプテンの香月が、
ある朝目撃した、藤堂貴之に関する
エピソードを熱く語っています。

以下、再現シーン。。。

(遅刻した生徒が、風紀委員に必死に食い下がっている)

 

理由のいかんを問わずですか!
(風紀委員)だめだ! もう登校時間はすぎた!

ちょっとまった!

(生徒に歩み寄り)君!

 

は 生徒会長!
もちろん 世の中には 校則以上にだいじなことが山ほどある
君の遅刻理由は そのだいじなことの中の ひとつかい?

 

は はい!
自信をもって そうだといえるかい?
(一瞬ためらった後)いえます!
実はぼく とちゅうで!
わかった
理由はきかなくても 君を信用する

……このエピソードは何度見ても泣いてしまいます。
藤堂くん、かっこいい!

ここで新キャラ登場。
アメリカ帰りの令子&文生(あやき)姉妹です。

姉の令子は、藤堂のお姉さん
(いたんですね)と親友。

テニスの腕前は姉妹ともに
なかなかのもよう。

妹の文生は、藤堂に対して

おにーちゃん!

と、なにかにつけまとわりつき、
ひろみをやきもきさせます。

さらに新キャラ、
一年生の神谷祐介の登場。

彼の風貌はあの人……ひろみの元コーチ
宗方仁を彷彿とさせます。

文生も西高に編入するそうだし、
ひろみがもういない高校に
二人もキャラを投入して、山本鈴美香先生、
どのように展開させていくのでしょうか。

そしていよいよキング夫人
クリス・エバートら、
(明日、12月21日がお誕生日ですね。
おめでとうございます!)
世界のトップが集うトーナメントが
日本で行なわれます。

日本の参加枠はただひとつ。

選ばれたのはもちろん、
我らがエース岡ひろみ

世界に向けて羽ばたけ、ひろみ!

番外編 「外国語セリフの吹き出し」

いつか書こうと思っていたのですが、
ここまで伸びてしまいました。

それは英語の吹き出しについてです。

第7巻から、横書きの、つまり
英語でしゃべっているセリフを並べてみると
興味深いことに気付かされます。

セリフの画像「みごとにスパッとサイドぬかれましてね」(「エースをねらえ!」第7巻より)「みごとに
スパッと
サイド
ぬかれ
ましてね」
 

セリフの画像「それは…どんな球だった?」(「エースをねらえ!」第7巻より)
「それは…
どんな球
だった?」
 
 
セリフの画像「あたりまえの球だったんですが手がでなくて」(「エースをねらえ!」第7巻より)「あたりまえの
球だったん
ですが
手がでなくて」
 
 
セリフの画像「あんなところへかえされるとは思ってもみませんでしたよ」(「エースをねらえ!」第7巻より)「あんなところへ
かえされるとは
思っても
みません
でしたよ」
 
 
セリフの画像「でもそのまえの全米オープンはニューカムとコート夫人(ともに豪州)がとってる」(「エースをねらえ!」第7巻より)「でもそのまえの
全米オープンは
ニューカムと
コート夫人
(ともに豪州)が
とってる」
 
 
セリフの画像「けっこうじゃないたがいに刺激しあってきそいあって」(「エースをねらえ!」第7巻より)「けっこう
じゃない
たがいに
刺激しあって
きそいあって」
 

それぞれのセリフが微妙に
右へ左へとかたむいているのは、
画像が曲がっているせいではありません。

1970年代、商業誌のマンガのフキダシは、
写植といって、セリフだけ別で印刷に回し、
出来上がったものを切り抜いて
ひとつずつ貼っていました。

手作業でやるので、締め切りが迫っていると
ついつい雑になってしまうのですね。

いえ、言いたいのはそういうことではなく、
文字の位置が微妙に違うということなのです。

ある文字は上のほうにあったり、下のほうにあったり。
またある文字は右寄りだったり、左寄りだったり。

小さい「つ」や「ツ」が、
とくにいちじるしいです。

まさかとは思うのですけれど、
当時、横書きのセリフは印刷で
打ち出せなくて、一文字ずつバラバラにして
切り貼りしていた!?

そこまでいかなくとも、
小さい「つ」の位置が定まっていないと言うことは
今からでは考えられないような苦労が
あったであろうことがうかがわれます。

マンガ家さんによっては
セリフは縦書きのまま、
文字をぜんぶカタカナにすることで
「このセリフは外国語でしゃべっています」
ということを表わしていました。

この“お約束”は今も生きているようです。
 

ワタシ、アメリカカラキタデスネ~

という感じです。

キャラがちがえば

ワタシ カセイカラ キタデスネ~

にもなるわけですが。

お手軽に済まそうと思えば、
済ませられたところを、
読者のリーダビリティをおもんぱかって
(おそらくは大変だったであろう)
横書きセリフをあえて採用して下さった
山本鈴美香先生と、当時のスタッフ、編集者の
方々にあらためて感謝したいと思います。

「エースをねらえ!」link

「エースをねらえ!」01巻「試合なんてものはやってみなけりゃわからないんだぞ」

「エースをねらえ!」02巻「つらくなんかない!! つらくなんかない!!」

「エースをねらえ!」03巻「まだやれる まだじゅうぶんやれる」

「エースをねらえ!」04巻「うまいのと強いのとちがうでしょ」

「エースをねらえ!」05巻「きなさい 死にものぐるいで」

「エースをねらえ!」06巻「いずれ なにもかも思いでになる」

「エースをねらえ!」07巻「やりぬいてみせる! 命をかけても!!」

「エースをねらえ!」08巻「彼女におとる青春はすごすまい!」

「エースをねらえ!」09巻「もう何からも逃げない!」

「エースをねらえ!」10巻「この一球!」

「エースをねらえ!」11巻「絶対負けられない!!」

「エースをねらえ!」12巻「ひろみ 打ちなさい!!」

「エースをねらえ!」13巻「もう あともどりはできない」

「エースをねらえ!」14巻「やればできるんだ!」

「エースをねらえ!」15巻「わたし…がんばります!」

「エースをねらえ!」16巻「夢は死なないのだね 宗方君…!」

「エースをねらえ!」17巻「日本中が君の勝利を祈ってる がんばれ!!」

「エースをねらえ!」18巻(終)「……がんばってきます!」

マンガ「エースをねらえ!」………恐ろしい子!