マンガお薦め5本「からかい上手の高木さん」「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」他

イラストは、山本崇一朗・著「からかい上手の高木さん」第11巻よりの1コマで、高木さんと団扇を持った西片くんが並んで座っているところです。
Nishikata-kun and Takagi-san in [Karakai jozu no Takagi-san]vol.11 created by Sôichirô Yamamoto

マンガお薦め5本

「からかい上手の高木さん」山本崇一朗・著

誰もがこんな中学生ライフを送りたかったのでは
と思わせてくれるようなほのぼの系ラブコメです。

今まで「からかう」という言葉に
ネガティブなイメージを持ってましたが、
このマンガがポジティブなものに
変えてくれました。

隣の席の高木さんが繰り出すクイズに、
西片(にしかた)くんがことごとく敗れ去ってしまいます。

次こそは引っかからないぞ、
と毎回決意を新たにし、
問題の裏の裏を読んで答えるのですが、
高木さんのほうが一枚も二枚も上手。

いいように西片くんを手玉に取るのでした。

高木さんの好感度がとても高いです。

からかっているにもかかわらず、
バカにした感じや、上から目線だったり
ということがありません。

また、からかわれる西片くんも
とても素直な男の子です。

高木さんの作った落とし穴に
じつに見事にはまりこみ、
驚き、悔しがってくれるので
読んでいるほうも、とても
気持ちよくなってしまいます。

また高木さんはクイズの中にときおり、
西片くんへの愛の告白を仕込みます。

ところが西片くんは
いつまでたっても気づいてくれないのです。

このえもいわれぬじれったさが
魅力の一つでもあります。

「からかい上手の(元)高木さん」稲葉光史・著、山本崇一朗・原作
というスピンオフ作品では、なんと
中学生の高木さんが、のちに結婚して
一児のママになっています。

ダンナさんは誰なのか、
はたして西片くんなのか、
気になるところですが、
あえて伏せさせて下さい。

(本家のほうを読み進めていっても
分かるようになっています)

大人になった(元)高木さんが
出てくるエピソードには
思わず泣かされてしまいました。

「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」谷川ニコ・著

タイトルから「自分はモテる」
と勘違いしている女の子の話かと思っていたら、
ぜんぜん違っていました。

主人公、黒木智子はいわゆる腐女子高校生。
自分がモテず、気持ち悪がられ、
周りから浮いていることを十分に自覚しています。

この人は空気が読めないわけではなく、
むしろ読めすぎるほど読めています。

それがゆえに、クラスメイトが
安易に妥協、迎合してうわっつらの
お友達ごっこを演じているのが
バカらしく見えて仕方ありません。

そんなことをするくらいなら、
高校3年間はひとり「ぼっち」のほうがマシと
腹をくくって……いられたら話は簡単なのですが
やはり多感な年頃、傷ついたり
哀しんだり、心はいろいろ揺れてしまいます。

そういうズレとか葛藤が面白おかしく綴られ
読者は主人公に同情と共感を抱きつつも、
ついつい笑わされてしまうのです。

ところが修学旅行をきっかけに
状況が変わり始めます。

わずかずつではありますが、
主人公を理解してくれる友だちが
一人、二人と増えていくのです。

このへんの展開は
何度読んでも涙が出てきてしまいます。

智子たちの高校生活も残り少なくなってしまいましたが、
できるだけ長く連載が続くよう祈っています。

ちなみに個人的ベスト・エピソードは
以下の3つです。

mo61: モテないし脅かす (07巻)
mo94: モテないし弟はサッカーやってる (10巻)
mo115: モテないし二年目の卒業式 (12巻)

 

 

イラストは、谷川ニコ・著「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」第6巻より、バスの中で黒木智子が、読書中の小宮山琴美に「それ今調べてみたけど最後死ぬみたいだよ」とネタばらしをしている場面です。

“According to Google, the main character dies at the end.”


 

「ちょく!」谷川ニコ・著

「わたモテ」と同じ、谷川ニコ先生の作品です。
主役の美少女が、頭がおかしいです。
そう言いきって良いほどの振り切れっぷりが素晴らしい。
この頃のほうが、なぜか絵が綺麗です。


 

「響~小説家になる方法~」柳本光晴・著

とある女子高生が書いた小説が大きな賞を獲り、
世間の話題をさらいます。

ですが匿名を貫こうとした主人公の
正体を暴こうとする大人たちの
あまりの傍若無人さに怒りが爆発。
彼女は敢然と闘いを挑んでいきます。

。。。初見では、とても興奮させられ、
面白い時間を過ごさせてもらったのですが、
冷静になってみると、いろいろと
気になるところがなきにしもあらずでした。

「やられたらやり返す」
がモットーの武闘派少女、鮎喰響

それ自体は格好良いのですが、
敵対する相手と同じ土俵に
立っていないのが気になります。

主人公は小説を一発書きして、大きな賞を
ダブル受賞するほどの才能の持ち主。

純文学を書いても、ラノベを書いても大ヒット。
彼女はいわば、大人たちからすると
数億、数十億を生み出す金の卵なわけです。

そんな彼女に殴られたとしたらどうでしょう。
身分や立場のある人間なら、
おいそれと殴り返せないのではないでしょうか。

それに加え、主人公がケンカを売る場所も、
相手が殴り返すことのできないような
場所や状況を選んでいます。

世間体やら家族のことを考えると
相手は無抵抗でいるしかありません。

以上のようなことが気になってしまい、
主人公が大暴れをしても、
あまりカタルシスを得られませんでした。

それと背中をいきなり蹴るというのは
いかがなものでしょう。

人としても、また決闘の作法としても
潔い行為とは言いがたいです。

まあ主人公は普通の体格をした女子高生なので
割り引いて考えるべきなのかも知れませんが。

気になるのは今後の展開です。

高校生のうちであれば、匿名でいること、
受験勉強するための時間が必要なこと
などなど、いろいろなことを大目に見てもらえます。

ですが卒業して、社会に出てしまえば
「才能を鼻にかけたブチギレ作家」
でしかなくなってしまうわけです。

そうなっても、これまでどおり
人々の共感を得続けられるのかどうかが
問題になってくるような気がします。

何か文句ばかりになってしまいましたが、
面白すぎて、続きを読まずにはいられないことも事実です。

とくにテレビ局のプロデューサーの
キャラクターは強烈でした。
部下にブタの鳴き真似をさせるところとか。

そしてプロレスラーみたいな女性マンガ家が
声優を泣かすところも。

あと作中作品のタイトルの付け方やストーリーなども
作者の方の才能を十二分に感じさせます。

今後の展開が注目されます。


 

「ちはやふる」第42巻 末次由紀・著

「BE・LOVE」、ひいては講談社を代表する主力マンガです。
さすがにここまでくると、エピソードが
インフルエンザとか、忘れ物とか
ネタが出尽くした感が否めません。

第1巻からの流れをみると、主人公の綾瀬千早
競技かるた界の最高峰、クイーン戦に出場し、
(おそらく)優勝して終わるという構想ではなかったかと思います。

ついに物語はそこまでたどり着きました。
果たして、クイーン戦が終わった後も
このお話は続くのでしょうか。

大学生の千早、社会人の千早。
結婚して、子どもがまたかるた部に……
なんていう展開になったら、
百人一首マンガで夢の百巻!
なんてことも可能かも知れませんね。

クイーン戦の盛り上がりを期待します!