『ロミオの青い空』第09話「月夜のラブレター」Aパート感想。

あらすじ。。。

カセラ教授の家の煙突掃除をやり終えたロミオ。
教授はごほうびとして、ロミオに絵本をプレゼントする。

字の読めないロミオはいったん辞退するが、

「またおいで。続きを教えてあげよう」

と励まされ、よろこんで絵本を受け取る。
(カセラ教授は脚本の時点では、“品のいい親切な老人”だったが、アニメではひげを蓄えた中年紳士になった。メガネはかけていない)

仕事を終えて、部屋に戻るとピッコロ(ペットのオコジョ)がリボンのネクタイをしていた。
リボンは、ロミオと同じく二階に住んでいる“天使”がつけてくれたものだった。

“天使”はロミオに、チョコレートに手紙を添えてプレゼントしてくれた。
ロミオはどうにかして読み書きを覚え、“天使”にありがとうの気持ちを伝えたい、と切実に思うのだった。。。

。。。あらためて言うのがはばかられるが、やはり指摘せずにはいられない。
動物たちの動きが素晴らしすぎる。

ピッコロが“天使”にリボンをつけてもらったのは、猫のパルモに襲われているところを助けてもらったことがきっかけだった。

パルモというのはロッシ家の飼い猫。
脚本中では『アンゼルモの愛猫』と紹介されている。

でっぷりと太っていて、飼い主より貫禄がある。
重量感あふれる走りで、ピッコロを追いかけ回すシーンはなかなかの迫力だ。

廊下を曲がるとき、ピッコロは軽快なスポーツカーよろしく機敏に駆け抜けていくところ、かたやパルモは、ズズズンとドリフトして、壁に思いっきり激突してしまう。

この辺りの描き分けは、見れば見るほどに新しい発見があり、じつに感心させられる。

ほかにも、ロミオがピッコロを抱き上げているシーンで、ピッコロが床に降りる直前、ロミオの手の中でクイクイッと体をよじるところなどは、犬や猫を飼ったことのある人なら
「そうそう!こういう動き、する!」
と、たまらない気持ちになるにちがいない。

あと本当に細かすぎて申し訳ないが、ピッコロが“天使”に持ち上げられるとき、小っちゃい豆粒みたいな手(というか前足)をちょこんと“天使”の手に置くところなど、めちゃくちゃ可愛い。

よくぞここまで細かく描いてくれました、と嬉しくなってしまう。
どうということのないシーンでも、まばたきをしたり、ひげをひくひく動かしたり、クルクル回ったり。

もう本当になんと言ったらいいのか、手間ひまのかかるアナログ作画の時代に、時間の制約があったにもかかわらず、ここまで動物の動きを研究し尽くし、細かく描かれているのを見るたびに、感動を覚える。

動物ばかりではない。
書棚にある本一冊一冊が存在感をもっているし、ほんの数秒しか映らないミラノの街並みの一戸一戸に生命が宿っている。

もちろん人間の描かれ方にもたくさんの見どころがある。
今パートで言うと、煙突から屋根に降り立ったロミオが風に吹かれるところがそうだ。

このポーズ、何かに似ているなあ、とずっと思っていたが、ようやく分かった。
ロミオは空を海に見立ててセーリングをしているのだ。

風を切って青空を泳ぐロミオ……というイメージを持たせたのだと思われる。
(ちがっていたらすみません)

それからエッダの表情が一瞬、写楽の浮世絵っぽくなったり。
これはスタッフの方の秘かな遊び心とみたが、どうだろうか。

ところでロミオがカセラ教授からおくられた絵本についてだが。。。

鳥の絵の横に「Pájaro」
猫の絵の横に「Gato」
と書いてある。

何の気なしにググってみたら、なんとスペイン語かポルトガル語らしい。
物語の舞台がイタリアのミラノなので、てっきりイタリア語だとばかり思っていた。

これはどういうことだろう。
なぜカセラ教授はロミオにスペイン語(もしくはポルトガル語)の絵本を渡したのか。

天下の『世界名作劇場』さんがこういうところでぬかるはずはないから、何か理由があるのだろう。
ナゾの解明は今後の宿題としましょう。
_________

『ロミオの青い空』第09話「月夜のラブレター」(1995/03/12)
絵コンテ: 佐々木和宏
演出: 宮下新平
作画監督: 大城勝 佐藤好春
脚本: 島田満

ロミオ: 折笠愛
ロッシ: 安西正弘
アンゼルモ: カシワクラツトム
エッダ: 羽鳥靖子
アルフレド: 藤田淑子
カセラ: 有本欽隆
ピア: 中村尚子
マデーラ: くればやしたくみ
ナレーション: 池田昌子

『ロミオの青い空』links

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