『姉妹と水兵』(1944・アメリカ) 32回観ても飽きません。

写真は映画『姉妹と水兵』より、ジューン・アリスンとグロリア・デヘイブンがステージで並んで歌っているところです。
June Allyson and Gloria DeHaven in Two Girls and a Sailor 1944

名前は失念してしまいましたが、
この映画を32回観たと、
ある映画評論家の方がおっしゃっていました。

それが、観ようと思ったきっかけです。

繰り返してみても飽きないのなら
傑作に違いないだろうと。

読みは当たりました。
これはイイ!

もったいないのは『姉妹と水兵』という、
原題のままとはいえ、あまり面白くなさそうなタイトルです。

歌よし、楽曲よし、演奏よし、芝居よし、筋よし、
ギャグよし、器量よしと、文句の付けようがありません。

1944年当時のアメリカの人気者たちが
ズラリと顔を揃えているようです。

中でもすごかったのは「一本指交響曲」。

新人ピアニストが売り込んできた曲で、
それを本物のロンドンフィルの指揮者が
ぶっつけ本番でタクトを振る、という設定。

オチを言ってしまうと、この女性ピアニスト、
ドレミファソラシドも弾けないのです。

なのに、ちゃんと曲になっています。
作曲した人、すごすぎ!

君はなぜ指一本しか使わないのかね?

今は戦時中ですよ。残りの9本指で編み物をするんです

これには思わず笑ってしまいました。

ボランティアで洋服か何かを
編んでいるということでしょう。

ちゃんと戦争にも貢献していますよ、
と言いたかったわけです。

さしもの大国も、この頃は
物資が不足していたのかも知れません。

それにしても1944年といえば、
太平洋戦争が終結する前年。

このような傑作を作れるのですから、
ふところが深いですね、アメリカさんは。

音楽パートもさることながら、
物語パートも負けじと良かったです。

汲めども尽きせぬ魅力とはまさにこの映画のこと。
何度も観たくなるのもうなずけます。

あらすじ (ネタバレあります!!)

デヨ姉妹は芸人夫婦の子として生まれた。
二人は幼い頃からデュオとしてステージに立つ。

妹のジーン(グロリア・デ・ヘブン )は、
しょっちゅう誰かに恋をしている、
積極的で奔放な性格。

姉のパッツィ(ジューン・アリソン)は、
不在がちな母親の代わりに
妹の面倒をずっと見てきた。

そのためか、かんじんのところで
一歩引く癖が身についている。

そんな二人の元に、
毎日ランの花が届けられる。

送り主の名前は“誰かさん”。

ステージの上でも
そのことが気になって仕方がない。

客席をキョロキョロして身もそぞろ。

バンド・マスターのハリー・ジェイムスに
お目玉を食らってしまう。

時は戦争のまっただ中。

二人は毎夜、ボランティアで
軍人の慰問パーティーを開いている。

これがすごい人気で連日満員だ。

水夫のジョニー(バン・ジョンソン )は
いつも仕事を手伝ってくれている。

そんな彼に、パッティがつい洩らす。

もっと大きな場所を借りられたら。

近くに手頃な倉庫があるけれど、先立つものが……

するとその夜、
いきなり不動産屋がやってきた。

書類とカギを渡しながら

倉庫があなたたち姉妹のものになりました

お金を支払ったのは誰なのか聞いても、
“誰かさん”としか教えてくれない。

とにかく姉妹は倉庫に行ってみる。

倉庫の中はもう何十年も使っていない様子。

そこには鼻のでかい中年男
(ジミー・デュランテ)が住み着いていた。

何とその男は、姉妹が幼かった頃の人気者
ビリー・キップその人だった。
再会を喜ぶ三人。

それからというもの、ひっきりなしに
業者たちがやってくる。
掃除業者、改装業者……。

あっという間に倉庫は
小綺麗なホールに変身した。

かかった費用はすべて
“誰かさん”が支払ったという。

その後も、必要なものはあっという間に調達された。

いよいよホールがオープン。
連日盛況を博す。

ビリーとパッツィは忙しくしながらも、
探偵よろしく“誰かさん”を探そうとするが、
まったく見当がつかない。

そんなパッツィに、水夫のジョニーが問う。

その金持ちは何か悪いことをしたのかい?

 

そうじゃないけれど、妹の幸せを考えると、
金持ちと言うだけでは不十分。
しっかり素性を調べなくちゃ

 

金持ちだとしてもその男のせいではないさ

軍隊の中では下っ端のジョニーが、
まさか億万長者の息子だとは
夢にも思わないパッツィである。

ランの送り主は(……もうお分かりですね)

──ジョニーだった。

彼は最初のうちこそ妹のジーンが目当てだったが、
今では姉のパッツィに惚れている。

そんなとき、ビリーが“誰かさん”の名前をつきとめる。
J.D.ブラウンという金持ちの老人だという。

(あれ? ジョニーじゃないの?)

パッツィはさっそく乗り込んでいき、
ブラウン老人と対峙する。

だがブラウン老人は、
若い娘とナニしたがるような
スケベじじいには見えなかった。

老人にわび、帰ろうとするパッツィ。
呼び止める老人。

J.D.ブラウンという名の人間は、
一世・二世・三世と3人いるんだが

もちろん三世とは、水夫のジョニーのこと。

ランの送り主が誰か、ついに分かった。

それはよかったのだが、
ジョニーにひそかに恋心を抱いていた
パッツィは落ち込んでしまう。

ジョニーが好きなのは、妹のジーン……。

しかしこれはパッツィの勘違い。

自分が惚れられているなどとは
毛筋ほども思っちゃいない。

妹の幸せを願うパッツィは
ジーンに“誰かさん”の正体を伝える。

ジーンは玉の輿に乗れると素直に喜ぶ。

今まで苦労をかけてきたお姉さんに
これからは楽をさせてあげられる

 
どちらかが結婚するときが
「デヨ姉妹」解散のときだ。
 

今夜でデュオは解散よ

と告げるパッツィ。

ジーンはうなずくが、
パッツィがこらえきれずに
泣き出すのを見て、はじめて本心を知る。

今まで自分のことは二の次で、
妹のわたしの幸せをいつも
第一に考えてきてくれた姉さん……。

ジーンは玉の輿に乗るのを
いさぎよくあきらめる。

そしてさっさと自分に惚れている男たちの中から
よさげな男を選び、結婚を決めてしまった。

そのころ、姉のパッツィは旅支度をしていた。
デュオ解散後はこれからはソロでやっていくしかない。

そこへやってきたブラウン老人とジーン。

彼女は姉に告げる。

別の男と結婚するわ
そしてテキサスで農家のヨメになる

さらに老人に

お孫さんに伝えて
 
私みたいな女は多くいるけれど、
姉は世界に一人しかいない

 
デヨ姉妹、最後のステージが始まった。

そこでジョニーはパッツィに正式にプロポーズ。
ホールは最高の盛り上がりを見せ、幕を閉じた。

かくして姉妹は別々の道へ。
それぞれのパートナーとともに生きていく。
 

監督 リチャード・ソープ
脚本 リチャード・コネル 、 グラディス・レーマン
製作 ジョー・パスターナク
撮影 ロバート・サーティース
音楽監督 ジョージー・ストール
振り付け サミー・リー

キャスト
John_Dyckman_Brown_3 バン・ジョンソン
Patsy_Deyo ジューン・アリソン
Jean_Deyo グロリア・デ・ヘブン
Jose_Iturbi ホセ・イタービ
Billy_Kipp ジミー・デュランテ
Concerto_Number グレイシー・アレン
Specialty リナ・ホーン
Frank_Miller トム・ドレイク
John_Dyckman_Brown_1 ヘンリー・スティーブンソン
John_Dyckman_Brown_2 ヘンリー・オニール
Ben ベン・ブルー
Carols カルロス・ラミレス
private_Adams フランク・サリイ
Albert_Coates アルバート・コーツ
Mr.Nizby ドナルド・ミーク
Amparo_Novarro アンパロ・ノバーロ
Virginia_O’Brien バージニア・オブライエン
Dick_Deyo フランク・ジェンクス

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