パディントンで英語を学ぼう。「テームズ川へのピクニック」(03-01)

イラストはマイケル・ボンド・著「パディントンの一周年記念」の中の一編「テームズ川へのピクニック」より、ペギー・フォートナムによる挿し絵で、パディントンが釣りをしている場面です。
A Picnic on the River [Paddington Helps Out] Created by Michael Bond, Illustrated by Peggy Fortnum

「パディントンの一周年記念」Paddington Helps Out
より
「テームズ川へのピクニック」A Picnic on the River

その日の朝、目覚めたパディントンは、
何かがいつもと違う感じがして、
2階の窓から庭をのぞいてみました。

するとブラウン家の人たちがすでに起きて
全員集合しているではありませんか。

Not only that, but as he watched, Mrs Bird, their housekeeper, came out of the kitchen carrying a huge plate piled high with sandwiches.
Paddington climbed off the window-sill and hurried downstairs. It was all very mysterious and it definitely needed investigating.
そのうえ彼が見ていると、お手伝いさんのバードさんが皿に山盛りのサンドイッチをもって、キッチンから出てきたのです。
パディントンはのぞいていた窓わくから飛び降り、転がるように階段を降りていきました。
これはじつに怪しい光景です。徹底的に調べ上げなければなりません。

☆ not only that, (but) = それに[それだけでなく・のみならず]~◆butは省略可
(※ 英辞郎 第七版より転載)

ブラウンさん一家が早起きしたのは、
ピクニックの準備をするためでした。

ブラウン家の一員となってからというもの、
毎日が初体験の連続のパディントンです。

The Browns were packed into the car, jogging along the road towards the river. Besides the Browns, Mrs Bird and Paddington, there was the hamper, a gramophone, a pile of records, a number of parcels and some fishing nets – not to mention several sunshades, a tent and a pile of cushions.
ブラウン一家をぎゅうぎゅうに詰めこんだ車は、川に向かってトコトコ進んでいきます。
一家とバードさんとパディントン、その横には食べ物カゴ、蓄音機、レコードの山、たくさんの包み、釣り用の網などなど。さらに日傘、テント、クッションも山積みされているのは言うまでもありません。

☆ jog along = のろのろ進む、単調にやって行く、ゆっくり走る、ジョギングする

☆ hamper = 〔蓋の付いたピクニックに持って行く〕食べ物かご

☆ gramophone = 〈主に英〉蓄音機 ◆イギリスでは、gramophoneが78回転レコード盤を手回しで再生する機器を指し、phonographをエジソンのシリンダー蓄音機だけに限定して使うことが多い。

hamper という単語は、TOEIC関連の参考書でたまに見かけます。
「キクタン12000」には、
hinder「妨げる(他動詞)」の同義語として出てきます。
ここでは hamper は「食べ物カゴ(名詞)」として使われているようです。

1950~60年代のイギリスでは、
家族でピクニックに出かけるときに、
手回し型の蓄音機とレコードを
持って行ったんですね。

極小のデバイスで何万曲も聴ける
現代とは隔世の感があります。

“Right!” shouted Mr Brown, as he braced himself once more.
「よし!」とブラウンさんは叫んで、ふんどしを締めなおしました。

☆ brace oneself = 気持ちを引き締める、ふんどしを締めてかかる

どうということは文章なのですが、
英辞郎の訳に「ふんどし」が出てきたので、
ちょっと面白いと思って取り上げました。

「ふんどし」って、西欧にはないと思うんですけれど、
日本語の文を英訳するときに必要だということなんでしょう。

英米の翻訳小説に
「ブラウン氏はふんどしを締めてかかった」
なんて文章が出てきたら、ものすごく違和感をおぼえます。

このあと、パディントンは川で溺れたり、
大切な帽子をなくしたり、大変な目にあうのですが、
色々な人たちが手を貸してくれたおかげで、
終わってみれば、すべては楽しい思い出と化すのでした。