『キャット・バルー』(1965・アメリカ) ノリは軽いが超名作。

西部劇嫌いを治さねばと思っていたら、ちょうどよさげな映画がNHK-BSで放映されたので観てみた。

これはコメディ・テイストではあるけれど
あなどるべからずの名作だと思う。

酔えば酔うほど命中精度が上がるという、マンガみたいなガンマンをリー・マービンが演じてオスカーを獲得した。

まず、初っぱなから驚かされる。
みなさんおなじみの、コロンビア映画のオープニングで必ず出てくる自由の女神みたいな人。

あの人が、いきなり衣を脱ぎ出すのだ。
下はぴっちりしたジーンズ。カウガールに変身だ。
二丁拳銃をぶっ放しまくる。

こんなことをされると俄然期待が高まってしまうではないか。

主演はジェーン・フォンダ。
教師になるはずだった彼女が、なぜか死刑囚となりはて、これから縛り首にされるというところから回想に入っていく。

キャット・バルーは縛り首~♪
といかにも楽しげに歌うのはナット・キング・コールとスタッビー・ケイ。

この二人は所々で顔を出し、案内を兼ねた歌を歌う。
バンジョーを持っているナット・キング・コールなんて初めて観た。

彼は本作の公開前にガンで亡くなったそうで、つまり撮影当時は、相当苦しかったろうと想像するのだが、全くそんなことを感じさせない。プロ中のプロだなあ。

映画の内容は、筋だけを追うとかなりシリアスなんだけど、徹底して軽く、明るく作ってある。

この話から何を汲み取るかは観客次第、とりあえずは楽しんでいただきましょうということか。
だとしたらその試みは成功だ。
とても楽しい一本に仕上がっている。

こんな感じなら西部劇も悪くない。

あらすじ(ネタバレあり)

学校の教師になるべく、父の待つ故郷へ向かうキャット・バルー(ジェーン・フォンダ)。
彼女は汽車の中で、期せずして護送中の犯人クレイ・ブーン(マイケル・カラン)の逃亡を助けてしまう。

父親フランキー(ジョン・マーレイ)の牧場にやってきたキャット。
馬は全部売りはらり、家も朽ちかけていた。

雇われ人ジャクソン(トム・ナルディーニ)の話によると、町が大企業を誘致するも、父親が水利権を譲らないのだという。

銀の鼻を持つ殺し屋ストローン(リー・マービン)らにより、今や牧場はつぶされようとしていた。
あろう事か保安官(ジェイ・C・フリッペン)までが、追い出しに荷担していた。

対抗策を考えるキャットにジャクソンが提案する。
キッド・シェリーンという凄腕のガンマンに頼んではどうか。

キッドの自伝はキャットの愛読書でもあった。
キャットは早速キッドに50ドルを添えた手紙を出す。

翌日の収穫祭。
キャットは、何と脱走犯のクレイと、その逃亡を助けた叔父のジェド(ドウェイン・ヒックマン)と再会する。

おかれている事情が事情なので、キャットは二人を家に住まわせることにする。

しかしクレイは、
「手は貸すが、二人とも一度も人を撃ったことがないぜ」
と、頼りになりそうもない。

キッド(リー・マービン=二役)が町にやってきた。
だが栄光は昔日の彼方、彼はアル中に落ちぶれていた。

それでも酒を飲むと手の震えが止まり、そのときだけは往年の腕前を発揮できるようだ。
敵は銀の鼻のストローンだと聞くと、なぜか自信なさげな表情になるのが気になるところではある。

翌日、父のフランキーが銀鼻のストローンに射殺される。
悠々と去って行くストローン。
ジャクソン、クレイ、ジェドは突っ立ったまま、ただ見送るだけ。

キャットが馬を駆って町まで行くと、ストローンは悠然と酒場の前に座っていた。
彼はずっとここにいたと、平然と偽証する保安官。

「泣かないわよ。泣くもんですか」
ここからキャット・バルーの復讐が始まる。

父の牧場は没収された。
一行はやむなく“壁の穴”という無法者ばかり集まる村に移住した。

キャットはここで列車強盗を持ちかける。
開発会社の従業員の給料を狙ってのことだった。
キッドの自伝を参考書代わりにした現金強奪作戦はまんまと成功した。

しかし開発会社の社長は、町の支配者でもある。
彼を怒らせるとははまずいことをしたと、村の者に忠告される。

今ではすっかり覇気をなくしてしまった、昔の無法者たちの言葉にがっかりするキャットだった。
さらに銀の鼻の男が現われて、金を返すように忠告する。

ここにきて、ようやくキッドが本気になった。
酒を断ち、特訓を開始。
敵のいる酒場に乗り込む。

ストローンと一対一の勝負。
勝ったのは、キッド。

決闘の後でキャットは、ストローンとキッドは兄弟だったと聞かされて驚く。

町の人間たちが、キャット一行を追ってきた。
しかしキャット側の男たちは例によって逃げ腰。

業を煮やしたキャットは、変装して町の支配者(レジナルド・デニー)に近づく。

二人きりになったところで、父親殺しを命じたことを認めさせようとするが拒否され、射殺。
かくしてキャットは死刑宣告を受ける。

町は、キャットが処刑されるというので大喜び。
彼らからしてみたら、新しい工場が閉鎖、町の半分の人間が失業者となったのはキャットのせいというわけだ。

白いドレスに身を包んだキャットが13階段を上っていく。
キャットの首に太い縄がかけられ、保安官の合図と共に床板が落とされ…んとするその瞬間、仲間がキャットを救出。

キャットたちは町中の人間から追われるが、キッド“酔拳”シェリーンの神業的射撃により、逃げおおせた。

かくして教師になるはずだったキャサリン・バルーは、何の因果か“無法者の女王”キャット・バルーとしてその名を後世に轟かすことになるのだった。

Cat Ballou (KINENOTEより転載)

監督
エリオット・シルバースタイン
脚本
ウォルター・ニューマン
フランク・R・ピアソン
原作
ロイ・チャンスラー
製作
ハロルド・ヘクト
撮影
ジャック・マータ
音楽
フランク・デボール

マック・デイビッド
ジェリー・リビングストン

キャスト
ジェーン・フォンダ Cat_Ballou
リー・マービン Shelleen
リー・マービン Straun
マイケル・カラン Clay_Boone
ドゥエイン・ヒックマン Jed
ナット・キング・コール Shouter
スタッビー・ケイ Shouter
トム・ナルディーニ Jackson_Two-Bears
ジョン・マーレイ Frankie_Ballou
レジナルド・デニー Sir_Harry_Percival
ジェイ・C・フリッペン Cardigan
アーサー・ハニカット Butch_Cassidy

洋画-カ行
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