ベスト・キッド (2010・アメリカ) 抜群の爽快感。ハリウッドの柔軟性。中国の底力。

THE KARATE KID

無条件で面白い! 驚くほど客が入っていた。
面白い映画はクチコミで伝わるものなのか。

年齢層は小学生から年配の方まで幅広い。
結論からいうと、クライマックスの武道大会が
始まる前にすでに滂沱と頬を伝う涙。
つまりは堪能させてもらった。

名作に数えられることはないかも知れないが、
傑作といっていいと思う。

まず、物語の始まりからして
「今」を象徴している。

母親はデトロイトの自動車工場に勤めていたが、
工場が中国に移転するにあたり、
遠い異国への引っ越しを決意する。

まさにこれから世界の経済の中心に
躍り出る中国と、取って代わられる
アメリカの構図そのもの。

この母親が実によい。パワフルで明るく、
新天地・中国に溶け込もうという
努力を惜しまない。

その中国の町並みが活気に溢れている。
公園では沢山の人々が太極拳、ダンス、
バスケ、卓球にいそしんでいる。

路地に溢れる人、人、人。
そのパワーには圧倒されるばかり。

今後、米中合作映画が数多く作られるで
あろうことと、アカデミー賞外国部門は
日本を通り越して、中国作品や中国人俳優に
与えられるであろうことは想像に難くない。

話が脱線してしまった。あらすじに戻る。

主人公のドレ少年(ジェイデン・スミス)
は公園で同い年くらいの女の子と出会う。

「異国の娘は無条件でアメリカ人男性に惚れる」
というハリウッド映画の法則はここでも発動。

とはいえ「パピヨン」や「戦場にかける橋」
の頃、惚れられるのは決まって白人男性だった。

40年経った今、有色人種にまで恩恵は
広がったようだ。時代は確実に変化している。

舞台を中国に持ってきたり、主人公を
黒人少年にしたりするところなど、
ハリウッドは流石にしたたかだ。

その少女に思いを寄せている男の子は
幼なじみの中国人少年。

典型的なガキ大将で、カンフーの使い手。
この子の目力が凄い。あんな顔で睨まれたら
ワタシなどは漏らしてしまうかも知れない。

哀れ、ドレ少年はメヂカラ君一派に
いじめられる毎日を送ることになる。

今日もまた多勢に無勢で袋だたきに
あいそうになっているところを、風采の
上がらない管理人(ジャッキー・チェン)に
助けてもらう。導師との邂逅である。

紆余曲折の末、ドレ少年に手を出さない代り、
武道大会で決着をつけようじゃないか、との
約束を取りかわす…という王道の展開。

この映画のもうひとつのカギが「師弟関係」。
メヂカラ君のカンフーの先生は
分かりやすすぎるくらい悪い人。

マドンナ役の中国人少女も
白人教師にバイオリンを習っている。

子供は何色にも染まりやすい。
大人たちの責任の大きさに
あらためて身の引き締まる思いだ。
びびってオモラシしている場合ではない。

肝心のカンフー・アクション
(なぜか原題はTHE KARATE KID)
に関しては、大満足。

ほとんどCGを使っていないのではなかろうか。
まったく大した少年たちである。

ポスターではハイキックを決めている
ドレ少年であるが、あの細っこい体格で
勝てるわけがなかろうと思っていた。

ところがどっこい、そんなことはなかった。
実にサマになっている。

この少年、ウィル・スミスの息子さんだと
いうことを、見終わったあとに知った。

だが、親の七光で主役に抜擢されたんじゃ?
なんてことはまったくないと言い切れるほどに
十二分に主役として光り輝いていた。

レッド・ホット・チリ・ペッパーズの
「ハイアー・グラウンド」をBGMに
繰り広げられる大会場面はもうノリノリである。
大いに盛り上がらせてもらった。

少年の武道大会だというのに、選手紹介に
オーロラビジョンが使われていたり、
そんなところにも歴史とハイテクが混在する
今の中国社会が垣間見えた。

映画が終わった後、老若男女問わず
「面白かった!」と言い合っていたのが
印象的だった。客層を問わない映画
という意味においては稀有かも。

うちの地元では吹き替え版しかやっていないが、
字幕版もぜひ観てみたいものだ。

あとがき。。。。。。。。2年半、酷使してきた
パソコンが壊れました。カスタマーセンターに電
話して、結局修理に出すことに。3年保証にしと
いてよかった!一週間もしないうちに戻ってきま
して、現在は新品のように快調に動いております
。頭文字がDで始まるメーカーなんですけれど、
ワタシに限って言わせてもらえるならば、今のと
ころ購入満足度は100%です。対応してくださ
った方々、本当にありがとうございます! この
場を借りて御礼申し上げます。