蛇行する“石”の謎。「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第41巻 加藤元浩・著

イラストは加藤元浩・著「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第41巻より、榊森羅くんと七瀬立樹ちゃんが並んで、海に面した丘陵に立つ館を眺めている一コマです。
Shinra SAKAKI and Tatsuki NANASE in [C.M.B.]vol.41 created by Motohiro KATOU

2冊同時に刊行された加藤元浩先生の作品。(2019.6.17)
「Q.E.D. iff -証明終了-」第13巻レビュー
に引き続き、
「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」第41巻
のレビューをさせていただきます。

「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」vol.41

Op.134: 生活委員 Life Committee

高校生ながら、博物館を運営している
榊森羅(さかき しんら)くん。

大英博物館から“知の守護者”として
認められている天才少年です。

だからといって持ち回りの
生活委員が免除されるわけはありません。

“委員”とは名ばかりの、
体のいい使いっ走りを
一週間ほどやらされるはめになりました。

こういうときに限って、
いろいろな面倒が起こります。

切れた蛍光灯の交換。
詰まったトイレの修理。
土足で汚れた廊下のそうじ。

さらには外注の業者と園芸部員が
花壇を撤去させろ、させないで揉めています。

森羅くんの同級生、七瀬立樹
(ななせ たつき)ちゃんのお祖父ちゃんは
高校の理事長先生。

生徒のためを思ってソーラー・パネルの
導入に踏み切ったのですが、それが裏目に。

園芸部員たちには、どうしても花壇を
守らねばならない理由があったのです……。

一見なんの脈略もない
こまごました雑用の数々。

その中に、卑劣な犯罪のタネが
ひそかに埋めこまれていました。

バラバラのパズルの断片を
脳内で組み上げた森羅くん。

みごとに悪事の芽を
摘みとることができました。

Op.135: 封印荘奇譚 Tales of Sealed Castle

明治時代に建てられた歴史的な屋敷が
解体されることになりました。

貴重な遺産を記録に残してほしい
との依頼を受け、森羅くんと
立樹ちゃんが出向きます。

解体を請けおった建築業者は
ドローンを使い、3Dデータを収集していきます。

高価な機材なので、地下の「座敷牢」に
カギをかけて保管しておいたのですが、
何者かにより、盗まれてしまいました。

知る人ぞ知る、とある木組みの方法。

そのトリビアな知識をもっていた犯人は
悪事に利用することを思いつき、
森羅くんは同じ知識を善用して、
犯罪を未然にふせぐのでした。

「座敷牢」とは、なんとなく
哀しい響きをもつ日本語ですね。

過去に、その座敷牢では二人が死に、
一人が行方不明になったといいます。

特殊な木組みだったから不幸が起こったのか、
不幸が起こったから、特殊な木組みに作り変えたのか。

今となっては誰も知り得ぬ
永遠の謎となりました。

Op.136: 浜栗家の人々 The Hamaguris

マンションをいくつも所有する祖父が
若い女性宗教家に入れあげてしまった

見さかいなくお金を貢いでいるようなの。
どうか助けてほしい

と、親族たちからお願いされた森羅くん。

マンション・オーナーは、メールも電話も使わないのに
なぜかケータイの充電だけは欠かしませんでした。

森羅くんはその一点を足がかりに
みごとに真相を暴き出します。

Op.137: 石と写真 Stone and Photograph

ペルーのマチュピチュを旅行していた
SNSつながりの女性4人グループ。

リーダー格の女性が、
屋根から転がり落ちてきた石に
頭をつぶされて死亡しました。

殺人ではないかとの疑いがもたれましたが、
いくつか奇妙な点がありました。

石がころがった通り道には障害物があり、
女性の頭を目がけて落下するには、
その障害物をいったんよけなければいけません。

石が意志を持って動いた?

そんなことが可能なのでしょうか。

そして石が通った後には、なぜか
つぶれたクルミが残されていました。

むろん近くに木などは生えていません。

文化庁から解決を依頼された森羅くん。
関係者たちのSNS写真を見て、
ある類似性を発見します。

そしてこれはまぎれもない殺人であると断定。
犯人とトリックをズバリ言い当てます。

。。。以上です。

今回も短篇で収めてしまうのが
もったいないと思えるほど
素晴らしいトリックが満載でした。

ところで本日2019年6月20日は
「少年マガジンR」の発売日ですね。

加藤元浩先生の連載
「Q.E.D. iff -証明終了-」は電子書籍版には
掲載されていないとのことなので、
久々に本屋さんに出かけようと思います。
 


 

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